和歌の浦(和歌山市和歌浦)

和歌の浦和歌川の河口に広がる干潟・砂嘴・島嶼などが織りなす自然景観に、社寺や橋梁などの人文的景観が調和した景勝の地。万葉の頃より山部赤人の短歌で広く知られ、江戸初期から藩主が霊地として保護整備した。古代から近現代に至るまで重層した景観が遺され、和歌山はもちろん、日本を代表する海浜の景勝地として高く評価される。 [地図]

濱口吉右衛門家庭園(和歌山県広川町)

濱口吉右衛門家庭園濱口家の庭園には近世・近代二つの庭園があり、後者は規模こそ大きくないが、特徴ある意匠の池泉庭園である。木造三階建の近代和風建築の南西に、二階広縁まで石組を積み上げ、そこから庭に降りることができる。上から眺める庭園でもある。施主の濱口要所は東京日本橋廣屋の主人であると共に、近代産業人として活躍した人物である。近代庭園らしく自由な発想のもと作庭され、二階まで庭石を積み上げるなど、意匠性に富む。(はまぐちきちえもんけていえん) [地図]

温山荘園(和歌山県海南市)

温山荘園ニッタ(旧新田ベルト)の創業者新田長次郎の別邸庭園。潮入の池泉回遊式庭園である。全体の設計は自伝によると新田自身。広大な庭園は西に高さ30mの矢ノ島を擁しその東部分の中央に本館、本館を挟み東側と西側に池泉庭園を設ける。西側庭園が早く作庭され、ここでは紀州青石が多用される。数年遅れて作庭された東側は、長次郎が工夫した人造石が多く見られ、特異な景観を呈している。 [続き・地図]

草津市北山田町の漁港と集落(滋賀県草津市)

北山田漁港北山田町(きたやまだちょう)は琵琶湖で最大規模の漁港を有する漁村として栄えてきた。琵琶湖総合開発事業において漁港が沖に出る形で整備されたものの、漁港からのびる1本の道を中心軸として、左右に広がる細街路と家屋の集落構造は現在も残っている。琵琶湖沿岸には漁村としての歴史を有する集落が各地に存在するが、漁港と集落とを結ぶ軸線が明確な例は珍しく、希少性を有する。 [地図]

大和平野と三輪山(奈良県桜井市)

大和平野と三輪山三輪山(みわやま)は、奈良盆地(大和平野)の四周を囲む山々のなかで、ひときわ形の整った円錐形の山である。標高は467mとさほど高くないが、秀麗な山容から、古代より神霊の鎮まる山として崇敬されてきた。山内は松、杉、檜などの大樹に覆われており、近世までは入山が厳しく制限されていたが、現在は心得を守れば登拝が許されるようになっている。 [続き・地図]