近畿・中国・四国

佐田岬の風力発電の景観(愛媛県伊方町)

佐田岬風力発電佐田岬に沿って等間隔に数十基の風力発電風車が見える。この風車群を眺める展望台もあり、カメラの被写体としても人気が高い景観である。佐田岬と海、緑、風車が創り出すこの景観は、自然と人工物という相反する構成要素が絶妙に融合した、特異な美しさを呈している。近くには伊方原発もあり,自然エネルギーと原子力エネルギーとの対比という点からも注目される。 [地図]

佐田岬の自然景観と伊予青石(愛媛県伊方町)

伊予青石「青」が特徴的な自然景観。この地域は佐田岬海岸線に沿ってみられる青色の三波川結晶片岩の産地として有名である。佐田岬灯台へ抜けるまでの青い石の存在と、海岸に砕かれ、砂状になった三波川結晶片岩の青い砂浜が、他に類をみない景観を作り出している。佐田岬に行くまでの舗装路にも、この三波川結晶片岩を使った道を活用している。青い色の三波川結晶片岩による石の壁面や青い砂浜などが、この地域独特の雰囲気を生み出しており、周辺にある海岸植生の緑と相まって美しい景観を創り出している。 [地図]

佐田岬灯台(愛媛県伊方町)

佐田岬灯台四国最西端の岬にある塔系コンクリート造りの灯台。大正7年の建設。岬の最先端にあり、海岸植生の緑と、人工的だが時間を経た灯台とが織り成す光景は美しく、平成10年に海上保安庁が募集し一般の投票によって選ばれた「日本の灯台50選」にも選出されている。灯台自体の貴重性に加えて、その佇まいが佐田岬の象徴的景観となっており、地元に親しまれているランドスケープ遺産として社会性が高く評価される。長い岬の先端にあることも、その景観の傑出性を支える重要な要素となっている。 [地図]

伊予鉄道路面電車と街の景観(愛媛県松山市)

伊予鉄道路面電車が街のなかに溶けこみ、城下町時代の都市骨格を留める松山の街の雰囲気を醸し出している。明治44年開業、各地の古い車両や新規車両を活用しつつ、現在も市民の日常生活に不可欠な存在として機能し続けている。日本各地に残る路面電車のなかでも、特に松山市の路面電車は、市民にとって日常生活の中で培われ、街のなかに溶け込んできた親しみ深い存在である。市民の暮らしのなかで、時間をかけて成立してきた風景として社会的価値が高い。 [地図]

湯築城跡(愛媛県松山市)

湯築城跡河野氏の居城であった梯郭式平山城の跡で、平成10~13年度に中世城郭としての形状を残しながら公園として整備された。武家屋敷や土塀なども復元しており、築城当時の雰囲気を作り出している。古いものを忠実に示すことで、歴史を学ぶこともできる都市内の公園として市民に活用されている。公園中心部は約30mの丘陵になっており、外堀と内堀が残存する。松山市道後地区のランドマークとして貴重な環境を有していると共に、中世城郭の雰囲気を作り出しており、その社会性と歴史性が高く評価される。(ゆづきじょうあと) [地図]