近畿・中国・四国

小松の沼のヨシ原(高知県高知市)

小松の沼仁淀川河口にある広大なヨシ原。宝永地震の地盤沈下によって形成されたとの口伝がある。高知県には勾配の緩やかな河川が少なく、多雨な気候のために溜池も少ないため、大規模なヨシ原は極めて少ない。そのなかで、小松の沼(こまつのぬま)は水辺の景観に優れ、また、多くの水生動植物の生育・生息地となっており、希少性が高い。現在も内水面漁業が行われており、地域の生活・生業文化との関わりも強い。 [地図]

下灘駅と伊予灘の景観(愛媛県伊予市)

下灘駅下灘(しもなだ)駅の西側には国道と伊予灘が位置しているが、視界には伊予灘が圧倒的な割合を占めている。駅舎とプラットホームからは広がりのある伊予灘の光景を遠くまで眺めることができ、一体となって俯瞰景観を構成している。鉄道と海域の光景の調和が美しい。人の手による鉄道路線・駅舎の景観と、伊予灘の自然景観とが織りなす、傑出した景観である。 [地図]

八日市護国の町並み(愛媛県内子町)

八日市護国の町並み八日市護国(ようかいちごこく)には、ハゼ(櫨)の流通、木蝋の製蝋産業の隆盛のもと、江戸から明治大正にかけて建立された商家・民家・土蔵などが約600mの道に並ぶ。四国で初めて選定された重要伝統的建造物群保存地区であり、町並み保存がなされ、市民に親しまれている。町並みそのものが博物館の様相を呈していることに加え、現在も生活をしている家屋が多いことから「生きた」町並みもといえ、希少性が高い。 [地図]

八幡浜の蜜柑段々畑景観(愛媛県八幡浜市)

八幡浜の蜜柑段々畑景観平地から丘陵地の尾根線まで、大面積のミカンの段々畑が続く。人の手により築かれ、維持されてきた壮観な景観である。長い時間をかけて山を切り開き、維持してきた人の営みが生み出す景観であり、地域に根差した、愛媛県における「生業の景観」の代表事例である。またその規模の大きさからも、貴重な景観として高く評価される。 [地図]

三崎のあこう樹(愛媛県伊方町)

三崎のあこう樹推定樹齢600年以上のアコウ樹。高さが18mで根元周囲14mにもなる巨大なアコウである。複数本存在しており、この地域のシンボル景観として親しまれている。クワ科の亜熱帯植物としては北限分布地にあり、希少性が高い。また、長い時間をかけて地元住民によって大切にされてきた存在でもあり、地域とのつながりという点でも、高く評価される。 [地図]