八幡浜の蜜柑段々畑景観(愛媛県八幡浜市)

八幡浜の蜜柑段々畑景観平地から丘陵地の尾根線まで、大面積のミカンの段々畑が続く。人の手により築かれ、維持されてきた壮観な景観である。長い時間をかけて山を切り開き、維持してきた人の営みが生み出す景観であり、地域に根差した、愛媛県における「生業の景観」の代表事例である。またその規模の大きさからも、貴重な景観として高く評価される。 [地図]

三崎のあこう樹(愛媛県伊方町)

三崎のあこう樹推定樹齢600年以上のアコウ樹。高さが18mで根元周囲14mにもなる巨大なアコウである。複数本存在しており、この地域のシンボル景観として親しまれている。クワ科の亜熱帯植物としては北限分布地にあり、希少性が高い。また、長い時間をかけて地元住民によって大切にされてきた存在でもあり、地域とのつながりという点でも、高く評価される。 [地図]

佐田岬の風力発電の景観(愛媛県伊方町)

佐田岬風力発電佐田岬に沿って等間隔に数十基の風力発電風車が見える。この風車群を眺める展望台もあり、カメラの被写体としても人気が高い景観である。佐田岬と海、緑、風車が創り出すこの景観は、自然と人工物という相反する構成要素が絶妙に融合した、特異な美しさを呈している。近くには伊方原発もあり,自然エネルギーと原子力エネルギーとの対比という点からも注目される。 [地図]

佐田岬の自然景観と伊予青石(愛媛県伊方町)

伊予青石「青」が特徴的な自然景観。この地域は佐田岬海岸線に沿ってみられる青色の三波川結晶片岩の産地として有名である。佐田岬灯台へ抜けるまでの青い石の存在と、海岸に砕かれ、砂状になった三波川結晶片岩の青い砂浜が、他に類をみない景観を作り出している。佐田岬に行くまでの舗装路にも、この三波川結晶片岩を使った道を活用している。青い色の三波川結晶片岩による石の壁面や青い砂浜などが、この地域独特の雰囲気を生み出しており、周辺にある海岸植生の緑と相まって美しい景観を創り出している。 [地図]

佐田岬灯台(愛媛県伊方町)

佐田岬灯台四国最西端の岬にある塔系コンクリート造りの灯台。大正7年の建設。岬の最先端にあり、海岸植生の緑と、人工的だが時間を経た灯台とが織り成す光景は美しく、平成10年に海上保安庁が募集し一般の投票によって選ばれた「日本の灯台50選」にも選出されている。灯台自体の貴重性に加えて、その佇まいが佐田岬の象徴的景観となっており、地元に親しまれているランドスケープ遺産として社会性が高く評価される。長い岬の先端にあることも、その景観の傑出性を支える重要な要素となっている。 [地図]