明治時代、地主であった畑中源馬が建てた櫓時計が、周辺に広がる田園景観のなかに収まっている。「野良時計(のらどけい)」と称されるように、畑仕事をする人々に時を知らせるのに役立っていた。平成16年まで時を刻み続けていたが、現在は止まり、イベント時などに臨時で稼働している。近年、地元住民の協力のもと、時計前に季節の花を植える取組みが進んでいる。歴史的建造物と周辺の田園景観が一体となって、地域住民の生活・生業に根ざした固有の景観が形成されている。 [地図]
地域:近畿・中国・四国
高知市の浦戸湾内にある島で、ツヅキ島、ナガツツヅキ島、玉島の3つの島から成る。植生が原生状態であるなど、希少性、学術性において優れた自然環境を有し、市の特別自然保護地区にも指定されている。ツヅキ島と玉島には神社があり、この豊かな自然が信仰と共に継承されてきたことがうかがわれ文化的価値も高い。干潮時には島の周辺が干潟となり、干潟がほとんど残存しない浦戸湾において、潮干狩りの光景がみられる数少ない場所としても貴重である。(きぬがしま) [地図]
地域:近畿・中国・四国
仁淀川河口にある広大なヨシ原。宝永地震の地盤沈下によって形成されたとの口伝がある。高知県には勾配の緩やかな河川が少なく、多雨な気候のために溜池も少ないため、大規模なヨシ原は極めて少ない。そのなかで、小松の沼(こまつのぬま)は水辺の景観に優れ、また、多くの水生動植物の生育・生息地となっており、希少性が高い。現在も内水面漁業が行われており、地域の生活・生業文化との関わりも強い。 [地図]
地域:近畿・中国・四国
下灘(しもなだ)駅の西側には国道と伊予灘が位置しているが、視界には伊予灘が圧倒的な割合を占めている。駅舎とプラットホームからは広がりのある伊予灘の光景を遠くまで眺めることができ、一体となって俯瞰景観を構成している。鉄道と海域の光景の調和が美しい。人の手による鉄道路線・駅舎の景観と、伊予灘の自然景観とが織りなす、傑出した景観である。 [地図]
地域:近畿・中国・四国
八日市護国(ようかいちごこく)には、ハゼ(櫨)の流通、木蝋の製蝋産業の隆盛のもと、江戸から明治大正にかけて建立された商家・民家・土蔵などが約600mの道に並ぶ。四国で初めて選定された重要伝統的建造物群保存地区であり、町並み保存がなされ、市民に親しまれている。町並みそのものが博物館の様相を呈していることに加え、現在も生活をしている家屋が多いことから「生きた」町並みもといえ、希少性が高い。 [地図]
地域:近畿・中国・四国
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