横浪半島の海岸景観(高知県須崎市)

横浪半島横浪(よこなみ)半島は土佐湾中央部にある、東側へ突き出た半島である。高知有数の海岸景勝地の代表事例であり、一帯は県立の自然公園となっている。古より人々の信仰を集めた場所でもあり、四国八十八箇所三十六番札所の青龍寺や「土佐の宮島」と称される国指定重要文化財の鳴無神社が位置している。その参道は海に向かって延び、鎮座地から内湾を望むことができる。 [続き・地図]

種崎千松公園と周辺の砂浜と墓地林(高知県高知市)

種崎千松公園延長約500mの海岸クロマツ林と砂浜、クロマツ林内の墓地からなる。一帯は、古来よりクロマツ林の景勝地として有名で、県立自然公園・種崎千松(たねざきせんしょう)公園になっている。現在、砂浜は海水浴場として、クロマツ林はキャンプ場として、多くの人々に利用されている。高知県における海岸景勝地の代表事例。クロマツ林は塩害や飛砂などの災害防止のほか、燃料の供給、ショウロ採り、墓地、憩いの場として、地域住民の生活・生業のなかで利用されてきた文化的価値も有する。 [続き・地図]

琴ヶ浜(高知県芸西村)

琴ヶ浜延長4kmの大規模な海浜とクロマツ林で構成される。クロマツ林は、古くから後背地の集落や水田を塩害や飛砂から守ってきた。浜では地引き網漁が行われている。琴ヶ浜(ことがはま)は月の名所でもあり、毎年9月には観月会が催されている。高知県でも有数の大規模な海浜とクロマツ林が残る海岸であり、希少性を有する。地域住民の生活・生業文化との繋がりも強く、その観点からも評価される。 [地図]

入野松原(高知県黒潮町)

入野松原砂浜、海浜植生、クロマツ林、後背地の畑地から構成された入野(いりの)松原の景観。塩害や飛砂から後背の集落や畑地を守るために植林された延長4kmのクロマツ林は、16世紀に起源をもつとされる。近年、NPO法人砂浜美術館によるTシャツ展やキルト展など、松原や砂浜などの資源を活かした多くのイベントが開催されている。高知県でも有数の大規模な海岸クロマツ林で、砂浜には貴重な海浜植物が自生しており、生態学的価値も高い。地域資源としても積極的に活用されており、社会性も評価される。 [地図]

大岐浜と海岸林(高知県土佐清水市)

大岐浜海浜、海浜植生、常緑広葉樹林からなる大岐浜(おおきはま)の海浜景観。海岸林は、江戸時代からクロマツが植えられてきたが、現在は松枯れによってタブノキの二次林になっている。海岸林には遍路道が残る。高知県でも有数の大規模な海浜植物の自生地であることに加え、広葉樹の海浜砂丘林は全国的にみても貴重である。海岸線に残る遍路道は希少性が高く、豊かな自然と信仰が織りなす景観としても傑出している。 [地図]