ランドスケープ遺産インベントリー 九州・沖縄

九州・沖縄地方

仙巌園

九州・沖縄のランドスケープは、各地域の自然、風土、文化、産業などによって形成された多様性、地域性、時代性、場所性、社会性をそれぞれに有し、全般的にみて固有性の高さとバラエティの豊富さを誇っています。これらは、デザインされたランドスケープ空間から、生活や産業活動などの人為によって生み出された景観、自然の営為によって形成されている景観に至るまで、その領域の幅が極めて広いのが特徴です。九州・沖縄地方は、面積こそ全国の11.7% 程度にすぎないものの、温帯から亜熱帯にかけて広範に及んでいます。また地形も多様で、世界最大のカルデラを有する阿蘇山をはじめとする火山とその活動が造り出した地形によって半島や離島が多く、世界自然遺産に登録されている屋久島をはじめ、5つの国立公園と10 の国定公園が広がり、自然公園面積は全国の約15%を占めています。こうした豊かな自然と共存し育まれた棚田や農地、里山など、そこに暮らす人々との関わりの中で創りだされた風景が各地に展開しています。