近畿・中国・四国

旭川沿いの桜並木(岡山市中区)

旭川沿いの桜並木岡山後楽園の対岸部分にあたる旭川の左岸堤防上の約1㎞(新鶴見橋~相生橋)にわたる142本のソメイヨシノからなる桜並木である。1957年当初は地元住民の発案により植樹された。住民により植樹の発案、育成(長く管理者不在であった)がなされた経緯があり、愛着性が高い。 [地図]

桃山桃源郷(和歌山県紀の川市)

桃山桃源郷桃山町はその名の通り桃の産地である。「安楽川の桃」として広く県外にも知られる。町内の紀の川左岸は桃の栽培が盛んで、3月頃一帯はソメイヨシノの桜より濃い桃色の花が開花し、一帯を美しく彩る。桃栽培においては、県内でも他の市町村の追随を許さず、非常に高いブランド価値を有する。開花時、町の広範囲が桃色に染まる農業景観は希少性が高い。和歌山県固有の風土と生業文化が織りなす「生業の景観」の代表事例である。 [地図]

岩代大梅林(和歌山県みなべ町)

岩代大梅林和歌山県は梅の栽培面積・出荷量とも日本一。みなべ町は梅栽培の中心地。町内の平地や山地の梅畑には1月末から2月末にかけて淡いピンク色の花が咲き、早春の香りが漂う。戦後造成整備された西岩代の30haに及ぶ広大な梅畑では梅2万本を栽培する。観梅にも力を入れており、開花期には多くの人々が訪れる。元々梅栽培は和歌山藩の奨励したものであるが、近現代において大規模化した。その規模は群を抜いており、希少性が高い。和歌山固有の風土と生業文化が織りなす「生業の景観」の代表例である。(いわしろだいばいりん) [地図]

温州ミカンの栽培地(和歌山県有田市)

温州ミカンの栽培地和歌山県は温州みかんの栽培では近世以来の歴史をもち、紀伊国屋文左衛門の逸話でも知られる。現在でも柑橘類の栽培面積・出荷量とも日本一。中でも紀中地方の有田川沿い南岸ではその栽培が盛んで、晩秋から初冬にかけて、傾斜地、平地を問わずみかんが鈴生りになる。水はけのよい土地、温暖な気候などみかん栽培に適した自然条件のもと、この栽培において全国に先駆ける歴史を持つ。地域の風土や歴史と密接に関わる農業景観として、和歌山県を代表する「生業の景観」である。 [地図]

四郷干し柿の里(和歌山県かつらぎ町)

四郷干し柿の里和歌山県北東部を流れる紀の川流域は、全国有数の柿の産地。和泉山脈の中腹に点在する四郷(しごう)地区の集落では、11月から12月にかけて農家の軒先や「柿場」と呼ばれる干し場におびただしい数の柿の玉暖簾が吊るされる。山荘集落の晩秋から初冬にかけての風物詩。周囲の緑と柿色のコントラストが明快で美しい。交通不便な山間地であるため知名度は高くないが、山間地の農業景観として、和歌山県における「生業の景観」の代表事例である。 [地図]