近畿・中国・四国

温山荘園(和歌山県海南市)

温山荘園ニッタ(旧新田ベルト)の創業者新田長次郎の別邸庭園。潮入の池泉回遊式庭園である。全体の設計は自伝によると新田自身。広大な庭園は西に高さ30mの矢ノ島を擁しその東部分の中央に本館、本館を挟み東側と西側に池泉庭園を設ける。西側庭園が早く作庭され、ここでは紀州青石が多用される。数年遅れて作庭された東側は、長次郎が工夫した人造石が多く見られ、特異な景観を呈している。 [続き・地図]

草津市北山田町の漁港と集落(滋賀県草津市)

北山田漁港北山田町(きたやまだちょう)は琵琶湖で最大規模の漁港を有する漁村として栄えてきた。琵琶湖総合開発事業において漁港が沖に出る形で整備されたものの、漁港からのびる1本の道を中心軸として、左右に広がる細街路と家屋の集落構造は現在も残っている。琵琶湖沿岸には漁村としての歴史を有する集落が各地に存在するが、漁港と集落とを結ぶ軸線が明確な例は珍しく、希少性を有する。 [地図]

大和平野と三輪山(奈良県桜井市)

大和平野と三輪山三輪山(みわやま)は、奈良盆地(大和平野)の四周を囲む山々のなかで、ひときわ形の整った円錐形の山である。標高は467mとさほど高くないが、秀麗な山容から、古代より神霊の鎮まる山として崇敬されてきた。山内は松、杉、檜などの大樹に覆われており、近世までは入山が厳しく制限されていたが、現在は心得を守れば登拝が許されるようになっている。 [続き・地図]

唐古・鍵遺跡から東の山々への眺望(奈良県磯城郡田原本町)

唐古・鍵遺跡から東の山々への眺望唐古・鍵(からこ・かぎ)遺跡は、奈良盆地の中央に位置する弥生時代の集落遺跡。発掘された大型建物からみた冬至や春分・秋分の日の出が、東に位置する三輪山、龍王山の頂から昇ることから、これら東部の山々との強い繋がりが指摘されている。現在、遺跡一帯には、古代~中世の条里制による地割を基盤に、近世に築かれた集落、池、水田による農村景観が広がっている。 [続き・地図]

室生山上公園芸術の森(奈良県宇陀市)

室生山上公園芸術の森村全体を自然と人間が共生する美術館にしたいという室生村出身の彫刻家井上武吉の遺志を、環境芸術家ダニ・カラヴァンが継いで完成させた。公共事業(地滑り対策事業・カントリーパーク事業)と現代アートとの融合作品で、シンボリックな彫刻や湖、水路には、同時に洪水や地滑りを防ぐ役目が付与されている。場所との綿密な対話により生み出された優れた環境芸術である。 [続き・地図]