近畿・中国・四国

亀山古墳、玉丘古墳群とその景観(兵庫県加西市町)

亀山古墳5世紀前半造立の玉丘(たまおか)古墳や移築復元された愛染古墳、クワンス塚古墳などの古墳群は、その形状も前方後円墳、帆立貝式古墳、円墳、横穴式石室墳など種に富む。多種多様な古墳形状が「群」としてまとまって存在しており、加西市を代表するランドスケープとして市民に親しまれている。 [地図]

鶉野飛行場と周辺の戦争遺跡群(兵庫県加西市)

鶉野飛行場現在、国内で急速に姿を消している戦争遺跡のひとつ。紫電改などの飛行機の訓練、特攻隊練習場として使用した跡で、鶉野(うずらの)飛行場の当時の滑走路が奇跡的にほぼそのままの状態で残っている。周辺には、掩体壕跡、銃座跡、戦闘指揮所、防空壕跡、弾薬庫跡などの付属する戦争遺跡も辛うじて残存しており、これだけまとまって残っているケースは希少。他地域ではみられない戦争遺跡として高い固有性を有する。またこれらを残そうと努力している周辺住民の営みも、このランドスケープを構成する重要な要素といえる。 [地図]

千里ニュータウンの緑地系統(大阪府豊中市・吹田市)

千里NT大阪平野の北部から千里丘陵にかけて開発された、日本最初の計画的ニュータウン。都市計画レベルで公園緑地体系の整備が行なわれ、その後の全国各地におけるニュータウン開発のモデルとなった。ニュータウン外周緑地の確保と、計画的公園配置、歩車分離動線確保のためにうまれた斜面緑地、個性的な街路樹景観など、緑地が総合的に計画、整備、育成されてきた日本を代表するニュータウンのランドスケープを継承している。その先駆性、傑出性は特筆すべき価値を有する。 [地図]

細河の植木生産地と五月山(大阪府池田市)

細河江戸時代から続く日本の植木4大生産地(愛知県稲沢、埼玉県安行、兵庫県宝塚)のひとつ。池田市細河(ほそかわ)地区は約400年の歴史がある。河川沿いの肥沃な土地に立地して多品目少量生産が特徴である細河の植木畑は背後の五月山(さつきやま)樹林地と一体となった生産ランドスケープである。現在、市街化が進み、一面に広がっていた植木畑の景観は縮小・分断しているが、歴史性、地域性の観点からも後世に継承すべき価値を有する。 [地図]

リーガロイヤルホテル大阪西館庭園(大阪市北区)

リーガロイヤルホテル大阪西館庭園建築家吉田五十八の建築意匠とコラボレートして荒木芳邦が手掛けた庭園。大滝をメインに空間を構成。昭和40年(1965)完成。メインラウンジの室内と屋外の滝などが一体となったデザインの庭園。人工地盤上の庭園の先駆けとなった作品で、FRP製であることを感じさせない滝の意匠と、水の流れやモミジ類などの大木が構成する繊細なランドスケープの庭園で、芸術性、技術性に優れた価値を有している。 [地図]