北海道

野幌森林公園(札幌市、江別市、北広島市)

野幌森林公園野幌(のっぽろ)森林公園は、大都市近郊ながら、平地にまとまった面積の森林が残された自然の宝庫として極めて貴重で、幅広い利用者層に親しまれている。1885(明治18)年野幌兵村が設置され、さらに入植により周辺の開墾が進むにつれて、森林の水源かん養機能の重要さがあらためて認識されてきた。官林はいったん御料林に編入後、さらに国有林に編入されている。この際伐木停止林とされたが、その後出た国有林の分割払い下げの方針は、周辺農民の反対運動によって中止に至っている。 [続き・地図]

赤松街道(七飯町、函館市)

赤松街道江戸時代の和人の拠点は福山(松前)にあったが、江戸末期になると諸外国の捕鯨船が燃料や水を求めて開港を迫ってきたことから、良港のある箱館(函館)の比重が増してきた。1854(嘉永7)年に箱館奉行所が設置され、翌年に箱館が開港されるなど、北海道の窓口としての箱館の地位が確立されてくるが、そこで働く人達にとっては、故郷の松や杉の育った風景が懐かしいものであったと推察される。1858(安政5)年に、当時の箱館奉行組頭栗本瀬兵衛が、佐渡から赤松の種子を取り寄せて苗を育成し、奉行所のあった五稜郭に [続き・地図]

真鍋庭園(帯広市)

真鍋庭園1896(明治29)年、移住開拓により原始林の十勝に入植した真鍋(まなべ)家。大正時代に入り第2世代により造成が進められた日本庭園、風景式庭園は、開拓当時の原始林を思わせる力強い森林を背景に、寒冷地に耐えうる樹種や外国産の特殊樹種を用い道内では稀な雄大な回遊式庭園が創造されてきた。その後、第3世代による西洋風庭園エリアでは、北ヨーロッパやカナダ等の国々から輸入された北方系外来樹種、園芸樹種による日本初の [続き・地図]

常磐公園(旭川市)

常磐公園常磐(ときわ)公園は、明治期の陸軍師団と鉄道の設置にはじまる旭川市の発展を受け、1910(明治43)年に市民の要望によって市街地中心部に造られ、当時から全市的な行事の多くが行われてきた。市の発展や洪水や冷害からの復旧の度に公園は拡充されたが、現在の姿は昭和の終わりに再整備されたものであり、1989(平成元)年に「日本の都市公園100選」に選ばれている。外周の美術館や図書館等の公共施設が、市街地の喧噪から園内を隔離し、巧みにレイアウトされた池や、北国の植栽をより引き立てている。 [続き・地図]

道庁前イチョウ並木(札幌市中央区)

道庁前イチョウ並木北海道庁赤れんが庁舎前にあるイチョウ並木は、1925(大正14)年に道庁初代勅任技師名井九介博士の指導の下で、札幌初の木塊舗装の完成を記念して植栽された、道内に現存する最も古い街路樹である。当時の北海道では、イチョウは入手困難な貴重な樹種だったため、東京から運ばれた19年生のイチョウが32本植栽された。赤れんが庁舎とともに札幌のシンボルとなり、樹齢百年を超えた今も28本が現存している。都心まちづくり計画を受け、道路を廃止して都市計画広場「北3条広場」となり、 [続き・地図]