近畿・中国・四国

蘭島及び三田・清水の農山村景観(和歌山県有田川町)

あらぎ島有田川の蛇行部へ弧状に張り出した河岸段丘面に棚田が展開する蘭島(あらぎじま)は、審美的な観点からも価値が高い。現在も水利組合長の下に水守が定められ、水路の補修等が共同で行われている。また、耕地が限られる当地では、畦畔や集落の後背斜面等も山畑に利用され、ヒメコウゾ・チャノキなど特徴的な植生が確認できる。 [続き・地図]

石鎚山の山岳信仰の景観(愛媛県西条市・久万高原町など)

石鎚山の山岳信仰石鎚山(いしづちさん)は、日本七霊山のひとつ。西日本最高峰である山岳を中心に、山頂付近には石鎚神社山頂社が、山麓には石鎚神社本社があり、広く一帯が山岳信仰の空間となっている。周辺の山道には鎖場などもあり、修験者の道ともなっている。また、標暖温帯林から中間温帯林、冷温帯林を経て山頂付近の亜寒帯林に至まで多様な植生にも富む。豊かな自然環境と山岳信仰の場としての独特の趣が織りなす、高い固有性をもつ景観である。 [地図]

四十島(ターナー島)の景観(愛媛県松山市)

四十島四十島(しじゅうしま)は夏目漱石の『坊ちゃん』に「ターナー島」として登場する島である。また、正岡子規による「初潮や松に波こす四十島」などでも歌われる文学的にも有名な島(岩礁)景観。花崗閃緑岩の3つの岩礁でなる。昭和53年(1978)より地元活動家によって松が植栽され,漱石時代の風景が戻ってきている。とても小さい島だが、文学的にも有名であり、かつ貴重な岩礁である。島としては小さいが、その存在は大きい。 [地図]

瓦祠と路地空間(愛媛県松山市)

瓦祠二神島などの瀬戸内海の離島に築かれた集落内の辻々には瓦質焼成祠があり、丁寧に松が供えられている。瓦祠(かわらほこら)は土着の民俗信仰の現れとしてそれ自体が高い文化的価値をもつが、生活空間である路地との相乗効果により、この地ならではの独特の趣を呈している。日本全国に瓦質焼成祠は見られるが、二神島のそれは、路地空間と一体化した風景として希少であり、地域性の高さが評価できる。 [地図]

二神島の港と漁村景観(愛媛県松山市)

二神島二神島(ふたがみじま)の集落の中には村上水軍ゆかりの建築が残り、港には古くからの石積の波止が2線残っている。港に向かって道路が通り、そのわきに建築がある。島であることから後背部が山岳になり、その段々部には石が積まれ、石垣の上に建築を作っている。港を囲むように集落が存在し、建築と石垣が美しい空間を保っている。瀬戸内海の島ならではの風土に根ざした漁村の形態を残す景観である。 [地図]