近畿・中国・四国

舞子公園(神戸市垂水区)

舞子公園舞子(まいこ)公園は明治33年(1900)に兵庫県で初めて開設された県立公園で、松林を中心とした景観が魅力の風致公園である。また園内には旧木下家住宅(国登録有形文化財)や移情閣(国の重要文化財)といった歴史的建築物を有する公園としても特徴づけられる。さらに播州名所巡覧図絵に描かれ、かつてより景勝地として親しまれてきた地であること、現在も根上り松の再生や老松の保存といった景観保全に取り組んでいることも評価できる。 [続き・地図]

有馬富士公園(兵庫県三田市)

有馬富士公園有馬富士(ありまふじ)公園は、平成13年(2001)にオープンした市民参加型の公園運営が特徴の広域公園である。夢プログラムと呼ばれる住民主体のコミュニティ活動を支援する仕組みを作るなど、パークマネジメントに関する先進的な取り組みを行っている。市民参画による公園運営を導入した都市公園としては、本公園が兵庫県で初めてのものである。 [地図]

かき筏の浮かぶ虫明湾の景観(岡山県瀬戸内市)

虫明湾虫明(むしあけ)湾は、瀬戸内海の多島美の一部であり、古くから知られた景勝地である。一方、岡山県の海域はかき養殖の好条件を備え、全国3位の生産量を持つ。虫明湾を擁する瀬戸内市の平成24年のかき生産量は7,844t(県全体の43.8%)。虫明湾では昭和5年(1930)には、かきの養殖筏が設けられており、戦後に本格化した。虫明湾の優れた自然景観に、かき筏という人工物が加わったが、筏(いかだ)が整然と浮かぶさまが、 [続き・地図]

旧赤穂城庭園(兵庫県赤穂市)

旧赤穂城本丸庭園赤穂(あこう)城は浅野長直の命により近藤三郎左衛門正純が1661年に完成させた城であり、本丸大小の池泉、二の丸には大規模な錦帯池をもつ池泉回遊式の庭園が存在した。現在は発掘調査、復元整備がなされ、往時の大名庭園の姿を今に伝えている。後世に改変されることの多い大名庭園の中で、本丸二の丸とが一体となった庭園の姿や当時の庭園利用を知る上で、極めて貴重な庭園であり、学術性芸術性の高さが評価される。また、舟遊びや茶房など当時の利用形態を体験できるなど、遺跡の活用の観点からも高く評価できる。 [地図]

御畳瀬の渡し船(高知県高知市)

御畳瀬浦戸湾の河口を結ぶ、県運営の小型輸送船。以前は乗用車を搭載していたが、現在は(平成14年~)人と自転車、自動二輪のみを運んでいる。船着き場である御畳瀬(みませ)は、現在も古くから漁業で栄えた地区であり、漁村の風情を留めている。かつて船舶の往来が盛んであった浦戸湾の名残を残す景観である。地域住民のみならず、浦戸湾を渡る遍路の交通手段にもなっており、地域に根差した歴史性と社会性が評価される。 [地図]