中野植物園(小樽市)

中野植物園地元で蕎麦屋を営んでいた中野鹿蔵氏が、日露戦争終結後に益々活況を呈していた小樽において、大衆公園、家族的遊園地が必要であると考え、教育的見地を主とし、保健的施設も備えた植物園を近郊の丘陵地に個人で整備して1908(明治41)年に開設した。小中学校の遠足、家族や職場などの行楽の場として利用され、開設以来、小樽市民に親しまれ続けている。約20基ある遊具の大半は、戦前に地元の鍛冶屋に依頼して作られたもの。毎年ペンキを塗りながら維持されており、他では見ることができない極めてユニークなものが多い。家族経営で100年以上も存続していることは特筆に値する。地域の方々の思い入れが籠る遊園地であり、文化的、歴史的価値が高く、市街地の良好な生態系の維持にも貢献している。