東庭園(長沼町)

東庭園この庭園は、1896(明治29) 年に入植した東(あずま)重次郎氏が、長い年月をかけて造り上げたものである。厳しい環境から暮らしを守るために、屋敷の周囲に配置された防風植栽は、極めて機能的であり、かつ美しい。冬の北西風を遮るために、トドマツを主体とした厚みのある樹林を形成し、馬追山を越えて吹き付ける春の強風には、高さ20 mを越えるトドマツの防風林で遮り、その他はヒバの大刈り込み生垣としている。庭園内には、百種を超える多彩な樹木が植えられており、それらが長い年月、丹精を込めて形が作られてきていることに、氏の愛情を見ることができる。特に高名な庭師が手がけたものではないが、日々の生活に潤いをもたらしてきた農家庭園として、高く評価される。