一関骨寺村荘園遺跡

一関骨寺村荘園遺跡

ID:02TH-0002

名称:一関骨寺村荘園遺跡

よみ:ほねでらむらしょうえんいせき

大分類:B.生活・生業・信仰等により形成された空間・景観(同上)

所在地:〒021-0101 岩手県一関市厳美町若神子241−2 字

概要:岩手県一関市にある骨寺村荘園遺跡は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて形成された荘園の景観を今に伝える貴重な文化遺産である

面積等諸元:国の史跡指定範囲:48.8 ha,景観計画区域:761.0 ha,重要文化的景観選定範囲:344.2 ha

所有者等:地域住民

管理者等:一関市 地域住民(本寺地区地域づくり推進協議会)

成立年等:平安時代末期

履歴:中尊寺経蔵別当領(平安時代末期~室町時代),仙台藩直轄領(江戸時代),地域住民(明治以降)

固有価値:かつてここは、平泉の中尊寺経蔵別当の所領として管理され、藤原氏の経済基盤の一部を担っていた。現在も中世の土地利用や農村景観が色濃く残り、国の重要文化的景観に選定されている。この遺跡のランドスケープ遺産としての価値は、中世の荘園景観がほぼ原形をとどめている点にある。曲がりくねった農道、棚田、そして周囲の山々といった要素が、当時の土地利用の様子を今に伝えている。現代の農業と調和しながらも、歴史的な景観が守られている点は、全国的にも類例が少ない。また、『吾妻鏡』などの歴史資料にもこの地の存在が記されており、武士や貴族の支配構造を示す貴重な証拠ともなっている。現在も地元住民による環境保全活動が行われ、農業景観と歴史遺産の共存が図られている。骨寺村荘園遺跡は、単なる考古学的遺跡ではなく、人々の暮らしと密接に結びついた生きたランドスケープ遺産として、高い価値を持つ。今後もその歴史的景観を後世に伝えていくことが求められる。

既指定:国指定の史跡(2005~) 国指定の重要文化的景観(2006~)

保全管理主体:一関市 地域住民(本寺地区地域づくり推進協議会) 

将来性:1:存続が安定的に期待される

出典:中尊寺領 骨寺村絵図を読む   日本農村の原風景をもとめて(入間田宣夫著,高志書院)

提出日:2025/3/14

変更履歴:2025/3/14

地図: