石泉荘(石崎家庭園)(新潟県新発田市)

石泉荘石泉荘(せきせんそう)は清水園のほど近く、新新発田川の上流に位置する。もともとは明治時代に料亭「花菱」として建てられたが、建物は1904(明治37)年に焼失したが、その後、新津で製油業を行っていた石崎家が別邸として整備したものである。庭園の中央を川幅約4mの新新発田川が流れ、これを中心とした回遊式庭園となっている。新潟の造園家、田中泰阿弥が「江戸時代の名残をとどめた石組は見事である」と記しているが、作庭者は不明である。私有地の中を公の川が流れ、これを造園に組み込むという技術と美的感覚は他に類を見ず、全国的に見ても貴重かつ珍しい庭園といえよう。2011(平成23)年、国登録記念物に登録された。