猿沢池から興福寺五重塔への眺望(奈良市)
猿沢池水面の背後に堤の樹林地が広がり、興福寺五重塔と南円堂がランドマークとして位置する。南都八景のひとつに「猿沢の池」が挙げられており、以後も絵画や写真を通じ、一貫して広く知られてきた眺望である。背後の樹林地は、奈良公園整備で松、桜、シダレヤナギが植栽されてきたが、近年は常緑広葉樹の生長が進んでいる。かつて同じ寺地であった猿沢池と興福寺堂塔を一体的に望むことができる。奈良の名所として、絵画や写真を通じて多くの人々に親しまれてきた景観でもあり、その地域性・社会性が高く評価される。
地域:近畿・中国・四国