清閑亭(旧黒田侯爵小田原別邸)庭園(神奈川県小田原市)

清閑亭明治期に貴族院副議長などを務めた政治家・黒田長成が、旧小田原城跡地の一画に造営した別荘の庭園。かろやかな数寄屋趣味の母屋に調和するよう、庭園には数石の庭石をあしらった素朴な芝生の庭を設け、小田原城三の丸外郭土塁を敷地内に留めたことから相模湾へのすぐれた眺望性を特色とする。単純な芝生の構成と眺望性は、東京や別荘地の近代庭園に共通する特色であり、清閑亭(せいかんてい)庭園はその典型的な事例といえる。