小樽公園(小樽市)

小樽公園明治33年(1900)に開設された。設計は日本初の職業的公園設計家、長岡安平(1842-1925)である。そのレイアウトは公共施設を園路で結ぶという、現在の公園設計に共通したものである。園内中央の丘には大正13年(1924)に市民から寄付された顕誠塔が建ち、道内唯一の屋外能楽堂と主園路で繋がれ、公園全体に秩序を与えている。植生は市民による植樹が中心だが、北側斜面には開拓以前からの原生林も現存する。将来の市街化を見越し、公園を都市の中心的な空間とする明確な目的を持って計画された最も初期の例であり、日本の公園創生期の特徴を今に伝えている。また小樽港に隣接する水天宮神社とは、一直線の道路で結ばれ、この両者が呈するヴィスタは、イタリアの歴史都市にみられるインテグラツィオーネ・シエニカ(景観の統合)を形成し、都市景観に調和をもたらしている。