神楽岡公園・上川神社境内域(旭川市)

神楽岡公園旭川市街の中心部に近く、忠別川のほとりに位置するこの地は、ハルニレ、ドロノキ、ミズナラ等の大木が茂る、河川敷と起伏に富んだ丘陵地からなり、明治20年代には、上川地方開拓に際して唱えられた北京論を受け、上川離宮予定地とされていた。離宮造営が立ち消えたあと御料林になっていたものを、1914(大正3)年に当時の旭川区が借り受けて公園とした。1924(大正13)年にはその一部に上川(かみかわ)神社が移転・落成し、公園内には園路広場の造成やエゾヤマザクラの植樹が行われた。散策、花見、遠足、歩くスキーなど、四季を通じて多くの市民が憩う空間となっている。現在までに様々な公園施設が造られてきたが、すっかり市街地に囲まれた現在も、大きな一団の樹林地(約48ha)を保っている希有な存在であり、幻に終わった開拓時の壮大な構想に思いをはせる貴重な場所となっている。