興楽園(西興部村)

興楽苑「興楽(こうらく)園」は、地元で林業会社を営む故三浦新次氏により、地域の自然を活かした私設庭園として昭和30年代から造営を開始し、歳月をかけて1970(昭和45)年に完成させた本格的日本庭園である。約8,000㎡の敷地には、北海道らしい針葉樹を中心とした巨木の森が保存されており、林床は一面苔に覆われている。庭園中央部には、石組みを施された大小の池泉があり、回遊する園路が配されている。造営当時の面影を残す総オンコ造りの茶室「興楽庵」は、外路地、漆喰の腰掛待合等を備える本格な設えを持ち、極めて貴重である。「興楽庵」と共に、1990(平成2)年に建造された道内産アカエゾマツを使用した茶室「興楽亭」では、通年で村内外の茶道サークルをはじめ、小学校の茶道教室などにも使用されており、地域に愛された身近な庭園として、地域文化の醸成、継承にも大きく役立っている。