小諸城址・懐古園(長野県小諸市)

小諸城址・懐古園 写真提供:小諸市小諸(こもろ)公園は小諸城跡に造られた公園である。1871(明治4)年の廃藩置県により城跡の荒廃を惜しんだ旧藩士らが、1880(明治13)年、三の門(写真下)から本丸跡までの払い下げを受け、天神・荒神と歴代藩主の霊を祭り、松と花木数百本を植えて、懐古園と名付けて公開した。小諸公園として整備されるのは、1926(昭和元)年、本多静六の指導で設計案が示されてからである。史跡名勝に富む城跡の保存と、開潤雄大な眺望と自然美を助長し、多少の人工美を加えて一大風景美をつくり出そうとするものであった。また、県下最古となる遊園地と動物園も整備された。翌年には、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」の碑が建てられている。現在では日本100名城や日本さくら名所100選に選定され、年間20万人を超える観光客が訪れている。(写真提供:小諸市)