蕪島から種差海岸へ続くみちのく潮風トレイル(青森県八戸市)

種差海岸2011年3月11日の東日本大震災被害の復興を図ろうと、それまであった陸中海岸国立公園に青森県の蕪島(かぶしま)から種差(たねさし)海岸一帯が2013年5月24日に編入され、“三陸復興国立公園”となりました。(近い将来、リアス式海岸の南三陸金華山国定公園も同国立公園に編入見込みです。)拡張部分は宮古から北に続く「大規模な隆起海岸」の延長で、美しい岩礁が続いています。海岸沿いは、古くからの南部馬の生産地としての牧場管理とヤマセ(夏の間中霧がたち込めて、木が育たない気象現象。)の影響から、日本では珍しく天然芝が広がる明るい草原が広がっています。その芝生の上に震災復興のシンボルとして作られたのが、“みちのく潮風トレイル”(南までの全長では700キロ)です。その開放的でおおらかな風景を東山魁夷画伯は『道』という絵に残しています。蕪島はウミネコの産卵地として国の天然記念物になっており、4月から7月にかけて3万羽ものウミネコが集まり、産卵、子育ての様子を間近に見ることができます。10月に咲き誇るハマギクの大群落など季節の草花も数多く、大須賀海岸を歩くことで「鳴き砂」を楽しんだり、漁協の人に頼めば海の方から岩礁景観を鑑賞できます。