鶴山公園(津山城跡)(岡山県津山市)
津山城は、17世紀初め、岡山県北部の津山盆地中央部に築城された平山城である。明治初期、廃藩置県、廃城令を経て、全ての建物が壊され、城跡は一時荒れ放題となる。しかし、明治23年(1890)の石垣の大規模崩落をきっかけに保存運動が起き、同33年(1900)の鶴山(かくざん)公園の設置につながった。「扇の勾配」と呼ばれる美しい石垣が保存されており、春には約1,000本の桜がその石垣に映え、立体的で迫力のある美しさを見せる。県内で唯一「日本のさくら名所100選」に選ばれた、西日本有数の桜の名所でもある。その陰には、1890年(明治23年)の石垣の崩落に端を発した城跡保存運動や、公園になったのを機に始められた初期の桜植樹(明治~昭和初期)などの先人の活動がある。歴史性の高い、地域を代表する景観である。
地域:近畿・中国・四国