泉北ニュータウンの緑地系統(大阪府堺市)
大阪府が手掛けた2番目のニュータウン。泉北丘陵に位置する3つの丘陵部からなり、南北に入り組んだ谷筋から丘陵に貫入する樹枝状の小谷筋に多くのため池を持つ複雑な地形を活かした自然立地型土地利用が計画当初より掲げられ、風致への意識や水系の重視、樹林地の保全を伴った緑地系統が計画された。特に、丘陵部斜面に保存された里山林を縫うように配置されている緑道は注目に値する。この緑道をベースとした立体的な歩車分離による歩行者空間網が住区をつなぐように張り巡らされており、それにぶら下がるかたちで公園緑地や小学校、近隣センター等が設けられ、全域に渡って安全な徒歩生活圏が形成されている。体系的なオープンスペースのネットワークが成立している、優れた事例である。
地域:近畿・中国・四国