蘭島及び三田・清水の農山村景観(和歌山県有田川町)
有田川の蛇行部へ弧状に張り出した河岸段丘面に棚田が展開する蘭島(あらぎじま)は、審美的な観点からも価値が高い。現在も水利組合長の下に水守が定められ、水路の補修等が共同で行われている。また、耕地が限られる当地では、畦畔や集落の後背斜面等も山畑に利用され、ヒメコウゾ・チャノキなど特徴的な植生が確認できる。その地形的特徴から、眺望景観としても囲繞景観としても地区のランドスケープの一体性・領域性が担保されていることも重要。さらに、当地では歴史文書により農地開拓史が克明に復元できることにも重要な価値がある。
地域:近畿・中国・四国