唐古・鍵遺跡から東の山々への眺望(奈良県磯城郡田原本町)
唐古・鍵(からこ・かぎ)遺跡は、奈良盆地の中央に位置する弥生時代の集落遺跡。発掘された大型建物からみた冬至や春分・秋分の日の出が、東に位置する三輪山、龍王山の頂から昇ることから、これら東部の山々との強い繋がりが指摘されている。現在、遺跡一帯には、古代~中世の条里制による地割を基盤に、近世に築かれた集落、池、水田による農村景観が広がっている。中心部にある「唐古池」も、近世の灌漑用ため池として造成されたものである。東部の山々との関係から、遺跡が造営された当時の環境を想起させる。また唐古池と併せることで、この地固有の居住文化の積層・連続性も同時に想起することができる。地域性と歴史性の高いランドスケープ遺産である。
地域:近畿・中国・四国