霧多布湿原(浜中町)

霧多布湿原霧多布(きりたっぷ)湿原は、国内5番目の面積の広大な湿原であり、低層湿原、中層湿原、高層湿原のほか、塩生植物が生育する塩湿地など多様な自然環境に恵まれている。1986年には地元有志による「霧多布湿原ファンクラブ」が発足し、民有地を借り上げる保全活動を開始し、2000年からはこの活動を引き継いだ「霧多布湿原ナショナルトラスト」が湿原のうち開発の可能性がある民有地やタンチョウの営巣地の買い取り保全を進めたほか、自然環境調査や湿原の復元実験、湿原周辺の森づくりなどの取り組みが行われている。長年に渡りナショナルトラスト活動が継続され、貴重な生態系の保全、再生に貢献していることに加え、1922年に国の天然記念物、1955年に道立公園、1993年に国指定鳥獣保護区に指定、1993年にはラムサール条約に登録され、自然科学的な学術上の価値は国際的にも評価されている。