旧新発田藩下屋敷庭園清水園(新潟県新発田市)

旧新発田藩下屋敷庭園清水園清水園(しみずえん)は十万石の大名、新発田藩主・溝口家の下屋敷の庭園である。新潟には数少ない風格と優雅さのある大名庭園の代表といえるだろう。敷地の横を流れる新新発田川から取り込んだ水による池を中心に、二段落ちの滝石組、洲浜と岬灯籠、長尺の石橋など、様々な風景要素を取り入れながら回遊式庭園が構成されている。大名庭園らしく威風堂々とした表門と赤松列植によるアプローチも見事である。当初の作庭者は縣宋知と伝えられ、また昭和の修復を行った田中泰阿弥は茶人でもあり、この時、古記録などを基に五つのタイプの異なる茶室も築造した。公儀の庭方が指導した庭園として、その趣が良好に保存されていることから2003(平成15)年、国の名勝庭園に指定されている。