二十間道路桜並木(新ひだか町)

ひだか桜並木二十間道路は、1903年(明治36年)に宮内庁所管であった新冠御料牧場を視察する皇族方の行啓道路として造成され、当時は中央道路といわれた。幅二十間(36m)、延長約8kmの広い道路が、いつから二十間道路と呼ばれるようになったかは定かでないが、道路両側に桜が植栽されたのは1916年(大正5年)のことである。当時の牧場職員が、近隣の山々からエゾヤマザクラなど約1万本を移植し、現在は約3千本といわれる。エゾヤマザクラ7割、カスミザクラと少しのミヤマザクラ3割とが混植された日本最大の桜並木である。道路突き当たりの新冠牧場(旧御料牧場)内に保存されている明治期の貴賓舎である木造2階建ての龍雲閣(1909年)や木造平家の旧事務所(1920年)などとともに、地域の歴史を伝える貴重な存在である。>