番所庭園(和歌山市)

番所庭園紀伊水道を望むこの地は万葉の昔より歌に詠まれた景勝の地で、近世には大阪湾の入口に当たることから紀州藩の海防備見張番所が置かれ「番所の鼻」と呼ばれた。幕末当時の様子は安政年間に編集された「異船記」の絵図に示され、それによるとここに大砲を備えるなど台場を構築した(現在もその土塁が残る)。しかしその他は草や芝で覆われ、現状は大きく変化していない。ここが庭園として整備されたのは第2次世界大戦後のことである。古代から近世までの和歌山の歴史を伝える景勝地を活用した庭園であり、地域性と歴史性が高く評価される。(ばんどこていえん)