鶴峯公園(長野県岡谷市)

鶴峯公園 写真提供:岡谷市鶴峯(つるみね)公園は岡谷市の市花であるツツジの名所として知られており、その規模は中部日本一といわれている。製糸業で財を成した片倉家初代・片倉兼太郎が学校教育を受けていない従業員のために、1917(大正6)年に諏訪湖が見える高台のこの地に私立片倉尋常小学校を建設し、1926(昭和元)年には噴水や遊歩道が整備され鶴峯公園と称するようになった。その後、1935(昭和10)年に同家から地元自治体が土地を寄付され、当時の貨車3台分のツツジが移植され、公園として整備された。1956(昭和31)年には都市公園に指定され、現在では約30種で合計3万株のツツジが5月中旬前後に咲き誇る。この頃には例年「つつじ祭り」が2週間ほど開催され、多くの市民や観光客が訪れる。すでに公園と称されていた企業の土地を、戦前に企業が自治体に寄付した、珍しい事例である。(写真提供:岡谷市)