奈良公園(奈良市)

奈良公園奈良県立都市公園「奈良公園」の範囲は約502ha。うち大半を山林部が占める。緑地が楔状に市街地に入り込み、古社寺を包含するような景観を呈している。明治13年の旧興福寺境内外を中心とした公園開設以降、時代の要請に応じて整備・改修を繰り返しつつ、県有数の観光地、都市近郊の緑地として親しまれてきた。地域固有の自然環境を基盤とし、そこに積み重ねられた住民の信仰と生活の歴史、近現代における公園的要素、さらに鹿の存在が融合することで、他に類を見ない独特の景観が形成されている。高い地域性を有する希少な景観である。