奥永源寺地域の茶園景観(滋賀県東近江市)

奥永源寺茶園鈴鹿山脈より琵琶湖に注ぐ愛知川源流域(奥永源寺・おくえいげんじ・地域)では、近世より銘茶「政所茶」の栽培が行われてきた。ヤブキタによる大規模集約型の茶園と異なり、長年当地で受け継がれてきたヤマチャの小規模な茶園が渓谷沿いに点在する。伝統的な整枝及び更新法と手摘み収穫により、茶樹は株仕立の形状である。周囲のススキを地表に敷き、落葉や油かすを肥料としている。周囲のススキを地表に敷き、落葉や油かすを肥料としている。渓谷に点在するヤマチャ畑とススキ原、背後のスギ・ヒノキ林が一体となった様相は、長年にわたる生業に支えられてきた山間部の文化的景観を後世に継ぐものとして重要である。