外泊の石垣の集落景観(愛媛県愛南町)

外泊の石垣の集落景観愛媛県最南端、美しく変化に富んだ海岸の入江に面する急斜面に、「石垣の里」として知られる外泊(そとどまり)集落がある。幕末から明治初期にかけて作られたこの集落は、高い石垣に囲まれた家々と、その間を山肌に沿って迷路のようにぬう石畳の路地・石の階段が、独特の景観を生み出している。家屋を囲む石垣は軒に達するほど高く、夏の台風や冬の強い北西の季節風による風害、潮害から家屋を守る役割を担っている。山の斜面に整然と連なる石垣と、その間を走る石畳・石段の織りなす景観は非常に美しく、印象深い。現在も生活の場として使われつつ、適時、修復修繕され、維持・継承されてきた。地域の風土に根差した生活文化が育んだ、地域固有の景観である。