勝浦海岸(和歌山県那智勝浦町)

勝浦海岸那智勝浦港周辺に展開する多様な海岸・島嶼の風景。近世以降、温泉地として栄えてきた。中島、狼煙山の南角、呑取山の峭壁及び一円の諸島を「紀ノ松島」と俗称するが、半島状に延びる狼煙山北東部に広がる多様な海岸地形と半島部付け根北方に位置する辨天島などを含む一連の景勝地。第三紀熊野層群敷屋累層の砂岩と砂岩泥岩の互層より成る地質上の特徴と内湾・外湾に接する地形上の特徴により多様な海岸景勝を形成するとともに、温泉の存在等により、近世以来の名勝地であり、また、近代以降の観光地形成の事例としても重要である。