大和平野と三輪山(奈良県桜井市)

大和平野と三輪山三輪山(みわやま)は、奈良盆地(大和平野)の四周を囲む山々のなかで、ひときわ形の整った円錐形の山である。標高は467mとさほど高くないが、秀麗な山容から、古代より神霊の鎮まる山として崇敬されてきた。山内は松、杉、檜などの大樹に覆われており、近世までは入山が厳しく制限されていたが、現在は心得を守れば登拝が許されるようになっている。西の山麓に座す大神神社は、古来本殿を作らず、拝殿から三輪山を奉拝する。地域固有の自然と、そこに古より積み重ねられた人々の信仰と生活・生業の文化が織り成す景観であり、地域性と歴史性が高く評価される。