深川林地(剣淵町)

深川林地防雪林造成に心血を注ぎ、過労によって1943年(S18)に殉職した深川冬至氏の功績を称えるために、氏の名前を冠して「深川林地(ふかがわりんち)」と命名され、同年鉄道記念林に指定された。1926年(T15)から排水の悪い泥炭地への樹林の育成という、現在でも極めて困難な課題に立ち向かい、様々な研究や工夫により、植栽基盤の改良と適性を見極めた樹種の導入などによって成林に導いたものである。戦前の北海道では、人員の輸送はもちろん、農産物や森林資源、鉱物資源などあらゆるものの輸送は、鉄路にそのほとんどを頼らなければならなかった。このため、特に冬季間の風雪害から鉄路を守るために、機械力の乏しいこの時代では、鉄道防雪林の造成が至上命題であった。悪条件を克服して成立しているこの鉄道防雪林は、地域のランドマークや、平地における緑の回廊としても貴重な存在となっている。