養翠園(和歌山市)

養翠園水軒川河口近くの右岸に、紀州徳川家第十代藩主徳川冶宝(はるとみ)が西浜御殿の一部として営んだ別邸の庭園。広大な池泉回遊式庭園で、海に面した立地を生かした潮入の庭。かつては阿波、淡路の山々を遠望する景勝の地であった。和歌浦の山々を借景とし、東西に長い池を中心にしてその中央部に三つの反橋を設け、池の西に書院(養翠亭)を配す。庭園、建造物とも旧態をよく遺しており、江戸末期の大名庭園として高い学術的価値を有する。(ようすいえん)